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2017年08月14日

世界陸上2017(男子)

https://www.iaaf.org/competitions/iaaf-world-championships

男子100m -0.8
ジャスティン・ガトリンが9秒92のシーズンベストで優勝
2位はChristian Colemanで9秒94
3位はウサイン・ボルトで9秒95のシーズンベストタイ
ボルトは準決でColemanに敗れたが、決勝では修正してくると思った。以前よりも走力が衰えても、そういった強さでなんとか負けずにいた。引退は早いという声はあったが、もう本人も限界を悟っていたんだろう。なんとか有終の美を飾ってほしかったが、この結果を受け止めるしかない。速くて強くてファンサービスも豊富なボルトのようなスター選手は今後数十年単位で現れないだろう。ボルトの全盛期を見ていた人にとっては、100mのレベル低下に嘆くことになるかもしれない。
ガトリンは準決1組2位通過でメダル取れるかどうかと思えた。前回大会と違い、ボルトとレーンが離れていたことで意識せずに最後まで走りきれたのかもしれない。ボルトが台頭する前に世界のトップに立ち、復活後もボルトのライバルとして戦い続け、まさか再び世界のトップに立つことになるとは。ちなみに今回のタイムは35歳以上の最高記録、キム・コリンズの35歳4ヶ月を上回り世界陸上の最年長ファイナリスト、リンフォード・クリスティの33歳4ヶ月を上回り最年長金メダリスト。ちょっと話が変わるけど、今年テニスではフェデラーやナダルの復活が世代後退なんて言われているが、陸上界も似たようなことになってしまった。
Colemanは自己3番目の記録。今回は向かい風での記録なので自己ベストに近い走りだったのだろう。世界陸上のメダリストとしては5番目に若く、銀メダル以上に限ればダレル・ブラウンに次ぐ。海外での実績がなかったためメダル予想には入れなかったが、これだけの力を発揮できるなら今後も世界大会で実績を残していくだろう。正直なことを言うと、世代交代を演出するためにも彼はガトリンに勝ってほしかった。
ヨハン・ブレークは9秒99で4位。
2016年五輪に続きまたメダルを取れなかった。次の世界大会は再来年で29歳の時、ボルトやガトリンがいなくなるが若手の台頭もある。これが最後のチャンスだったかもしれない。
アカニ・シンビネは10秒01で5位。
9秒台選手なのに予選はタイムで救われるというダサオルみたいなことをやって、準決では力を出してちゃんと決勝に残るというこれもまたダサオルみたいなことをしている。決勝ではダサオルと違って実力を発揮したと言っていい。2016年五輪に続きブレークに僅差で破れ5位。
ジミー・ヴィコは10秒08で6位。
彼は2011年世界陸上でジュニアながら決勝に残り、2015年世界陸上から3大会連続で決勝進出しているが全て下位に終わっている。
Reece Prescodは10秒17で7位。
予選で10秒03(0.0)の自己ベスト、準決は10秒05(-0.2)と自己ベストに近い走り。決勝はタイムを大幅に落としたが、地元の世界陸上で決勝進出は嬉しいだろう。
蘇炳添は10秒27で8位。
予選で10秒03(-0.2)のシーズンベスト。2015年世界陸上並の仕上がりとはいかなかったが、2大会連続の決勝進出は凄い。非黒人系で2大会連続の決勝進出は2011年と2013年のクリストフ・ルメートルだけ。前回大会は9人の決勝で最下位だったため入賞とはならなかったが、今回は世界陸上アジア初の入賞。
ケンブリッジ飛鳥は10秒25で準決1組6位。
予選もタイムで救われたのでまあこんなもんかという感じ。
サニブラウン・アブデル・ハキームは10秒28で準決2組7位。
スタート直後にバランスを崩すアクシデント。予選では10秒05(-0.6)の自己ベストタイ&日本人世界陸上最高記録をマークしていたため決勝進出の可能性も高かった。今まで予想以上の結果を残していた彼がこのようなミスをするとは思わなかった。インタビューでは相変わらずハキハキ答えていたので、特に心配ないだろう。
多田修平は10秒26で準決3組6位。
予選は10秒19(+0.3)。自己ベストこそ10秒08だが今季急激に伸びたため、今回のタイムは自己4番目。初めての世界陸上でこのタイムなら十分な結果。今回は予選から全体的にタイムが出ていなかったため、実力に近いタイムだと思う。世界大会でこれより速く走ったのは山縣、朝原、高瀬、ケンブリッジ、今回のサニブラウンだけ。
以前、予備予選を通過したところで予選落ちは決まっていると書いたが、今回初めて予備予選から準決勝進出者が出た。しかもエマニュエル・マタディとEmre Zafer Barnesの2人。予備予選ではJán Volkoが10秒15(+0.9)の好記録を出すなど今までとはレベルが違った。

男子200m -0.1
ラミル・グリエフが20秒09で優勝
2位はウェイド・バンニーキルクで20秒11
3位はJereem Richardsで20秒11
準決を見る限りグリエフの調子は非常によく、メダルは取れるだろうと思ったがまさか金メダルとは。彼は10代の頃から活躍していて2007年世界ユース2位、2008年世界ジュニア5位、2009年ヨーロッパジュニア優勝、2009年世界陸上7位等の実績がある、また2009年は20秒04の世界ジュニア歴代2位を記録。今では短距離の白人といえばルメートルだが、彼も匹敵する実績を持っていた。
その後はトルコに国籍変更したため世界大会に出られずにタイムも20秒台中盤まで低迷。2014年ヨーロッパ選手権は20秒38で6位に入るが、もう世界大会での活躍は期待していなかった。しかし、翌年の世界陸上で決勝進出、同年に19秒88の自己ベスト、2016年五輪でも決勝進出と今までにない活躍。今季は100mで9秒台に突入、200mも20秒0台を記録し好調。彼は今まで世界大会で好記録を出すもラウンドを重ねるとタイムを落としていく事が多かったが、今回は決勝で上げてきた。
彼はルメートル同様、10代の頃から速い白人の選手として注目していたため今回の結果は非常に嬉しい。しかもルメートルと違い世界大会に出られない時期があり、一時期はほとんど期待していなかった。今回は恵まれたタイミングでの活躍であるが、世界陸上の金メダルは陸上ファンの記憶に残るだろう。陸上競技に疎い人からすれば無名の白人が突然出てきてドーピングだとか騒ぎそうだけど。そういえば2001年世界陸上で優勝したコンスタンティノス・ケンテリス以来の白人選手の優勝で、彼が2000年五輪で優勝したタイムと同じ。ジョンソンがいなくなった200mと今回のボルトがいなくなった200mという王者のいないレースも似ている。
バンニーキルクは準決で下手すれば落ちている可能性があったため、そこを立て直したと評価できるかもしれない。しかし、400mで記録を狙わずに勝ちに行くレースをし、200mでは金メダルを取れなかったとなるとマイケル・ジョンソンに匹敵する選手とは言えないだろう。マイケル・ジョンソンが200mと400mの2冠を達成した世界大会は1995年世界陸上と1996年五輪、どちらも好記録で優勝している。しかも当時は200m、400m共に2次予選があった。彼にはボルトの後を担う選手としての活躍を期待しているので今回の結果は残念。
Richardsは初の世界大会でメダル獲得。
今季0.6秒以上自己ベストを縮め、メダルにまで到達。この調子が今季だけではなく続くといいが。
アイザック・マクワラは20秒44で6位。
胃腸炎の影響で予選に出られなかったために1人でタイムレースを行い準決進出、2時間後に準決を1レーンで走るという不利な状況下だったが決勝進出。具合が悪くて試合に出られなかったというよりも、ウイルス性胃腸炎だったため48時間隔離する必要があり試合に出させなかったためにこういった救済措置が出来たのだろう。彼にはメダルを期待したが、体調は万全ではなかった。得意の400mに出られなかったのが残念でならない。
サニブラウン・アブデル・ハキームは20秒63で7位。
2005年世界陸上のウサイン・ボルトを抜き最年少での決勝進出。サニブラウンが走った準決2組は全体的にタイムが出ていなかったため、決勝進出者の中では最下位のタイムで自己ベストも最も遅い。その中での7位ならまあそんなもんだろうという感じ。
飯塚翔太は20秒62で準決1組5位。
追い風2.1mの中でのタイムだが雨が降っておりコンディションは良くなかった。上位2人が失格での予選通過だったので準決の走りは悪くなかったと思う、4人に勝っているのだから。
ヨハン・ブレークは20秒52で準決2組3位。
予選から動きが悪く、決勝には難しそうだった。それでも予選はサニブラウンに勝っていたので準決でサニブラウン負けてしまうとは思わなかった。
クリストフ・ルメートルは20秒30で準決3組4位。
今季は不調でシーズンベストが20秒29。予選も20秒40かかり、決勝どころではなさそうだった。ただ準決では上げてきてシーズンベスト辺りまで持ってくるのは流石。彼が2組に入れば決勝進出できてただろう。彼でさえ達成できなかった金メダルをめぐり合わせがよかったとはいえグリエフが達成してしまうとはね。このまま200mが混戦模様となるとAdam Gemiliにもチャンスが訪れるかも。

男子400m
ウェイド・バンニーキルクが43秒98で優勝
2位はSteven Gardinerで44秒41
3位はAbdalelah Harounで44秒48のシーズンベスト
バンニーキルクは200mとの2冠を意識したのか、あまり疲労を溜めないように前半もあまり飛ばさずに最後も流しながらのフィニッシュ。対抗馬のマクワラは胃腸炎のため棄権、Gardinerやテベも競ることさえできなかったためこれでも勝ててしまうレースになってしまった。
Gardinerは準決で43秒89のバハマ記録。決勝でコンディションが悪化したと思われるためタイムを落としたのは仕方がない、それにこういう選手が決勝でタイムを上げることはあまりない。彼はシニア1年目から好記録を出し期待されていたが、世界大会では2015年、2016年と続けてあまりいいパフォーマンスが出来ていなかった。今回のメダルをきっかけに毎回メダル争いをするような選手になって欲しい。
Harounは完全にノーマーク。大会前のシーズンベストは45秒15。自己ベストは44秒27だが去年の五輪では46秒66で準決落ちしており、今回は全体8位でなんとかタイムで通過。決勝進出ラインが44秒64と低調になるのも予想できなかった。決勝で記録した44秒48はセカンドベストで決勝進出者の中では唯一のシーズンベスト。
バボロキ・テベは44秒66で4位。
世界ジュニアで失格や五輪で棄権をしているので、とりあえず記録を残せてよかった。
Fred Kerleyは45秒23で7位。
準決は44秒51でタイムで拾われ決勝進出。200mではダイヤモンドリーグで好記録を出していたので、400mも44秒台前半は出せると思っていた。アメリカが世界大会でメダルを逃したのは2012年五輪以来、世界陸上に限れば2003年世界陸上以来。マイケル・ジョンソンからジェレミー・ウォリナーが現れるまで数年の空白期間があったがラショーン・メリットから次の選手が現れるまでも同じようなことになりそう。Kerleyが世界大会でも結果を残せるようになればいいんだが。
ラショーン・メリットは45秒52で準決2組7位。
今季最低のタイム、彼が優勝した2004年世界ジュニアのタイムよりも遅い。2007年からの5連続メダル獲得が遂に途絶えた。

男子800m
Pierre-Ambroise Bosseが1分44秒67のシーズンベストで優勝
2位はAdam Kszczotで1分44秒95のシーズンベスト
3位はKipyegon Bettで1分45秒21
Bosseは1分42秒中盤の記録を持ち、これまでも世界大会で何度も入賞しているため実力のある選手だが優勝は驚き。残り200m辺りから抜け出しそのままフィニッシュ。
Kszczotは前回大会に続き銀メダルを獲得。残り100m地点では5位だったが相変わらず強い後半。
Bettはまだジュニアの選手でシニアの世界大会は初出場。2015年世界ユース2位、2016年世界ジュニア優勝と毎年結果を残している。
ナイジェル・アモスは1分45秒83で5位。
Bosseが上がったタイミングでアモスも同じように出るがうまく出られず、3番手に位置するも最後に抜かれた。彼は2012年五輪の銀メダリストで自己ベストも1分41秒73と素晴らしいものを持っているが、世界大会の決勝は2012年五輪以来。

男子1500m
Elijah Motonei Manangoiが3分33秒61で優勝
2位はTimothy Cheruiyotで3分33秒99
3位はFilip Ingebrigtsenで3分34秒53
Manangoiは今季3分28秒80の世界歴代9位を記録。前回大会銀メダルを獲得しており、2大会連続のメダル獲得。今年の世界ユースで優勝したGeorge Meitamei Manangoiは彼の弟。
Ingebrigtsenは兄のHenrikと弟のJakobも中距離ランナー。Henrikも世界大会で活躍しており、2012年五輪5位、2013年世界陸上8位などの実績がある。Jakobは16歳ながら1500mで3分39秒92、1マイルで3分56秒29、3000mSCで8分26秒81の記録を残している。

男子5000m
Muktar Edrisが13分32秒79で優勝
2位はモハメド・ファラーで13分33秒22
3位はPaul Kipkemoi Chelimoで13分33秒30
ファラーは世界大会で2009年世界陸上以来の敗戦。ファラーに限らず長距離はラスト勝負で勝つのが基本になっているが、ラストスパートに強いファラーが勝てなかった。ファラーは2011年世界陸上10000mでジェイランに負けたこともあるので、レース展開をうまくすれば他の選手が勝てる可能性は今までもあったと思う。
Edrisはまだジュニアだった2013年世界陸上で7位、その後は2015年世界陸上で決勝進出するも10位。
Selemon Baregaは13分35秒34で5位。
17歳7ヶ月で最年少ファイナリスト。
Kemoy Campbellは13分39秒74で10位。
ジャマイカでは珍しい長距離選手。自己ベストは今年室内で出した13分14秒45。

男子10000m
モハメド・ファラーが26分49秒51の今季世界最高記録で優勝
2位はJoshua Kiprui Cheptegeiで26分49秒94の自己ベスト
3位はPaul Kipngetich Tanuiで26分50秒60のシーズンベスト
前半から早いペース。世界大会で出された記録としては2009年世界陸上でケネニサ・ベケレが記録した26分46秒31に次ぐ好記録、ファラーにとってこの記録はセカンドベスト。順位がコロコロ変わっていたが、ラップタイムを見るとファラーはほぼ一定ペース。他の選手は揺さぶろうとしたがうまくいかず、最後に力が残らなかったということか。
トラックレースから引退とのことなので10000mで彼を見ることは今後なくなる、せめて歴代10位以内に入ってほしかった。

男子110mH 0.0
オマール・マクレオドが13秒04で優勝
2位はSergey Shubenkovで13秒14
3位はBalázs Bajiで13秒28
マクレオドが下馬評通り優勝。彼の今後の目標は世界記録らしいが、世界大会でも12秒台を出せるようになるといい。
Shubenkovは去年のロシアドーピング騒動でどうなるかと思ったが、出場してメダル獲得できてよかった。
3位以下は誰が来てもおかしくなかったが、今まで世界大会で1度も決勝進出のないBajiは予想外。

男子400mH
Karsten Warholmが48秒35で優勝
2位はYasmani Copelloで48秒49
3位はカーロン・クレメントで48秒52
コンディションが悪いとはいえ世界陸上史上過去最低タイムでの優勝、世界大会に限れば1980年以来の低記録。去年の五輪では47秒台が4人も出たが、この種目は1年単位で目まぐるしくレベルが変わる。
Warholmはセカンドベストで自己ベストに近いタイム。前半から飛ばしていき最後までなんとか逃げ切った。彼はスプリント力のある選手なのでまだタイムは出せるだろう。
Copelloは去年の五輪に続きメダル獲得。
クレメント、最後のハードルは良くなかったがそれ以外は普通にハードリング。つまり普通に負けてる。
安部孝駿は49秒93で準決2組5位。
この組は49秒13で決勝進出できただけに、相当なチャンスだった。49秒台で決勝進出できたのは世界陸上史上初、世界大会に限ればこれも1980年まで遡ることになる。
Kyron McMasterは予選4組失格。
今季49秒以上かかった試合はなく安定している選手かと思ったが、世界陸上はハードリングが安定してなかった。

コンディションが悪かったにしても全体的にレベルが低い。もし為末のような選手がいればメダルが取れていただろう。彼がメダルを取った2001年、2005年は今回よりも明らかにレベルが高かった。

男子走高跳
ムタズ・エサ・バルシムが2m35で優勝
2位はDanil Lysenkoで2m32
3位はMajd Eddin Ghazalで2m29
バルシムは今まで優勝を期待されながらボーダン・ボンダレンコ、Derek Drouinといった選手に勝てずにいた。今回は2m35を跳んだ時点で勝利が決定したので、今までに比べて調子が良かったのか分からない。以前だったらボンダレンコ、Drouinはこの高さを跳べただろう。2013年世界陸上は2m38までノーミス、2016年五輪は2m36までノーミスと今回と変わらないか今回よりも調子が良かったように思える。つまり、バルシムが成長したというよりは周りがついていけなかった。
Lysenkoは2014年世界ユース優勝の実績があり、去年は屋外で2m30、室内で2m31の世界ジュニア歴代3位を跳んでいる。今季は2m34を跳んでおり、シニア1年目の記録としてはバルシムと1cmと変わらない。ロシアのアスリートということで記録は出しているが、どういう選手かよく分からなかった。世界大会でもこれだけ結果が出せるなら今後も期待できる。
Ghazalは世界陸上で初めての決勝進出。去年は2m36の自己ベストを記録、五輪では7位入賞。

男子棒高跳
Sam Kendricksが5m95で優勝
2位はPiotr Lisekで5m89の自己ベスト
3位はルノー・ラビレニで5m89のシーズンベスト
今季屋外で6m00を跳んだKendricksが力を見せ優勝。
Lisekは前回に続きメダル獲得。これが屋外自己ベストだがまだ室内と11cmも差がある。せめて5m90以上は跳んで欲しいところ。
ラビレニ、今季は不調だったため結果は悪くない。彼はこれで2009年以降全ての屋外世界大会でメダルを獲得している。もう年齢も年齢なだけに世界陸上の金メダルは難しいだろう。
Xue Changruiは5m82の中国記録で4位。
彼は2013年世界陸上で決勝進出、去年の五輪も6位入賞しており力はある。世界陸上で5m82までノーミスでメダルを獲得できなかったのは2011年以来。
Armand Duplantisは5m50で9位。
入賞まであと一歩足りなかった。予選では5m70を跳び。セルゲイ・ブブカの最年少ファイナリストを更新。

男子走幅跳
Luvo Manyongaが8m48(+0.4)で優勝
2位はJarrion Lawsonで8m44(+0.6)のシーズンベスト
3位はRuswahl Samaaiで8m32(-0.1)
今季8m60台を4回もマークし、負け無しのManyongaが順当に優勝、去年の五輪で2位になってから負けなし。8m48という記録は近年の世界大会では悪い記録ではないが、8m60台を連発している選手だっただけにもう少し良い記録を期待した。
Lawsonはアメリカ人選手にしては珍しく、全ての跳躍で8m11以上の記録を残す安定感を見せた。最終跳躍は優勝まで4cmと惜しかった。
Samaaiは世界大会で初めて8位以内に残り、メダルまで獲得。元々記録はいいものを持っていたが、実力を発揮できていなかった。
アレクサンドル・メンコフは8m27(0.0)で4位。
1回目でこの記録を跳びこのままメダル獲得かと思われたがそう甘くはなかった。彼の実力からすれば8m33以上跳ぶことは不可能ではなかっただろう。結局1回目以外は全てファール。
Maykel Massoは8m26(+0.8)で5位。
彼は走幅跳の世界ユース最高記録保持者で今季8m34の世界ジュニア歴代3位を記録している。今回の記録は自己ベストに近く、この年齢でシニアの世界大会でも活躍できるなら今後期待できる。
Yuhao Shiは8m23(-0.3)で6位。
彼もまだジュニアで今季8m31の世界ジュニア歴代4位を記録している。今大会8m23(+0.6)で7位に入ったWang Jiananは前回大会ジュニア選手ながら銅メダルを獲得しており、中国は若手の層が厚い。
Jeff Hendersonは予選落ち。
全米で5位だった彼の名前があったことに驚いたが、3位と4位の選手が標準記録を突破していなかったため彼が選出された。

男子三段跳
Christian Taylorが17m68(+0.2)で優勝
2位はWill Clayeで17m63(-0.1)
3位はネルソン・エボラで17m19(-0.1)のシーズンベスト
全ての種目に言えるが、気温が低く記録が低調。試合展開はシーソーゲームで面白かったが。
Taylorは世界陸上初の連覇達成。
Clayeは今回優勝の可能性があった。優勝記録と5cmは彼にとって世界大会最小差。
エボラは今季17m20でヨーロッパ室内を制し、17m台はそれ以来。
Cristian Napolesは17m16(-0.2)で4位。
ジュニア選手ながら4位入賞、あと3cmでメダルだった。

男子砲丸投
Tomas Walshが22m03で優勝
2位はJoe Kovacsで21m66
3位はStipe Zunicで21m46
Walshは予選で22m14のシーズンベスト。投擲に多いが、予選で好記録を出しても沈むことが珍しくないので、記録は落としたが22m台を投げたのは流石実力者。
Kovacsは最終投擲は惜しかった。ファールには間違いないが、世界大会以外だと見逃されがちなので意識しないとやらかす。
Zunicは自己ベストに2cmと迫る記録。まさか21m台中盤でもメダルが取れるとは思わなかった。
Ryan Crouserは21m20で6位。
ガッカリという他ない、今季最低記録。3投目は22m31だったらしいから、本当にもったいない。あのファールはどこがファールだったのか見ても分からない、本人はあっさり引いていたが抗議したほうがよかったと思う。本来ならそれでも関係なく飛ばすが、プレッシャーに負けたのか。
David Storlは20m80で10位。
予選は1投目で21m41だったので復調の兆しかと思われたが、決勝ではそのパフォーマンスは出来ず。本来は勝負強い選手だから、メダル争いをしてほしかった。
O'Dayne Richardsは19m95で予選落ち。
1投目はファールだったがこれもどこがファールだったのか分からない、恐らく誤審。Richardsも抗議せずにあっさり引いていたが、ビデオ確認要求したほうが多いと思う。

男子円盤投
アンドリュス・グジュスが69m21の自己ベストで優勝
2位はDaniel Stahlで69m19
3位はMason Finleyで68m03の自己ベスト
グジュスは大会前のランキングで3位。自己ベストは68m61だったのでダークホースというわけではないが、世界大会での実績は去年の五輪で12位ぐらいしかなかったので意外な結果。今季急成長し、去年までの自己ベストは66m11だった。
Stahlは優勝まで2cm、これは1位との差としては世界陸上で最小。2位としては2001年世界陸上の69m40に次ぐ記録。
Finleyは1投目で67m07、2投目で68m03と続けて自己ベスト更新。
大会前は予想がつかなかったが意外にハイレベルな結果となった。

男子ハンマー投
Pawel Fajdekが79m81で優勝
2位はValeriy Pronkinで78m16
3位はWojciech Nowickiで78m03
世界陸上で80mを超えなかったのは初めて、去年の五輪に続き記録が低い。
Fajdekは優勝したが80m以上の投擲は見せてほしかった。
Pronkinは初めての世界大会でメダル獲得。1994年生まれと若く、今季79m32の自己ベストを記録しているのでいずれ80mスローワーになるだろう。
Nowickiは2015年世界陸上、2016年五輪に続き銅メダル。今季は80m台を投げ、Fajdekにも勝っていたので優勝の可能性もあった。

男子やり投
Johannes Vetterが89m89で優勝
2位はJakub Vadlejchで89m73の自己ベスト
3位はPetr Frydrychで88m32の自己ベスト
Vetterは予選で91m20予選通過。砲丸でも書いたが投擲種目は決勝で記録を落とすことは珍しくない、特にやりは風の影響を受けるのでそういうことが多い。せめて決勝でも90m以上を投げてほしかった。
Vadlejchはあと16cmで優勝と惜しかった。今までの世界大会は予選落ちが多く、2016年五輪で初めて決勝進出し、8位入賞。
Frydrychは自己ベストを7年ぶりに更新。
Thomas Rohlerは88m26で4位。
銅メダルまで6cm。この記録でメダルが取れないのは2001年世界陸上、2000年五輪しか例がない。
テロ・ピトカマキは86m94で5位。
去年の五輪は予選落ちしたため少し不安であったが、十分な記録。同期のアンドレアス・トルキルドセンは引退しているが、ピトカマキは今でも十分に世界で戦えている。

男子十種競技
Kevin Mayerが8768点の今季世界最高記録で優勝
2位はRico Freimuthで8564点
3位はKai Kazmirekで8488点のシーズンベスト
Mayerは100mで10秒70、400mで48秒26、110mHで13秒75の自己ベストを出すなど好調。棒高跳で初めの高さである5m10を2回失敗し危うい瞬間もあったが、8900点を超えそうなペースだった。

男子4x100mリレー
イギリスが37秒47の国別世界歴代3位&ヨーロッパ記録で優勝
2位はアメリカで37秒52のシーズンベスト
3位は日本で38秒04のシーズンベスト
イギリスはこれまでもメダルに絡む実力はあったいつもミスをして失格、棄権を繰り返していた。地元の2012年五輪も予選で失格、だから今大会も期待していなかった。しかし、地元の今大会で国別3位となるタイムでアメリカに競り勝ち優勝、世界陸上での優勝は初めて、世界大会では2004年五輪以来。
Daniel Talbotは今季100mで公認記録を残していないため、彼だけ自己ベストとし選手のシーズンベストを足すと40秒19。利得タイムは2.72秒。これは決勝の中でトップの記録。イギリスはこれからバトンパスの精度をもっと上げて安定して世界大会のメダルを取れるようになって欲しい。
アメリカは優勝できなかった最高記録。メンバーからすれば勝てるのだからここももっとバトンパスに力を入れて欲しい。
日本は37秒台こそ出せなかったが好記録。銀以上は2016年五輪よりもタイムを上げなければならなかったので十分な結果だろう。予選からタイムを上げてきたことも評価できる。
中国は38秒34で4位。
予選は38秒20で全体4位。メダルに絡んでくると思ったが、タイムを落とした。ビデオで確認するとジェミリが右手を振り上げているのが蘇炳添の頭に当たって減速している。これは問題になっていい気がする。
これから蘇炳添は力を落としていくだろうから、リレーで上位に入るのは難しくなるかもしれない。ただ10秒0台の謝震業がいるのと、他3人は10秒2台出せれば理論上38秒00程度は出せるのでバトンパス次第というのもある。
ジャマイカは途中棄権。
なんとボルトが怪我をしてしまい走れなかった。今まで見てる方はまだまだやれると思っていたが、彼はもう限界だったのかもしれない。

男子4x400mリレー
トリニダード・トバゴが2分58秒12のトリニダード・トバゴ記録で優勝
2位はアメリカで2分58秒61
3位はイギリスで2分59秒00
これはかなり意外な結果。シーズンベスト合計だとトリニダード・トバゴはアメリカよりも3.86秒も遅い、自己ベストで比較しても1.67秒。前回大会トリニダード・トバゴは2分58秒20を記録しているので大幅に記録を更新したわけではない、ただ単にアメリカがとんでもなく遅い。
アメリカはあれだけ44秒台が揃いながら優勝できないのは酷い、コンディションが違うので適切な比較ではないが前回大会だったらメダルが取れていないタイム。
ボツワナは3分06秒50で予選2組6位。
1走のOnkabetse Nkoboloは今季45秒34を出している割に遅く、2走のテベもあまり良くない。マクワラもいなかったのでバトンを落とさなかったとしてもいいタイムは出せなかっただろう。
日本は3分07秒29で予選2組8位。
これは信じられないタイム、バトンを落としたボツワナよりも遅い。去年の五輪は3分02秒95、2015年世界陸上は3分02秒97、今回のタイムは今後のマイルリレーはどうなってしまうのか心配してしまう。マイルリレーは藤光や飯塚を投入して圧勝した2014年アジア大会があったように、層の薄い400m専門の選手だけで組んでいては勝てないと思う。今回もしウォルシュ、北川がいたとしても3分02秒台が出たとは思えない。
posted by クライシ at 18:11| Comment(4) | 陸上競技(世界大会) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつも拝見しています。
100m予備予選で、今までは標準記録切っていない全く無名の選手が参加すると思っていましたが、今大会はトルコでjak ali harveyが本戦に出場してるのに同じ国のEmre Zafer Barnesが予備予選に参加していたり、割と自己ベストが速い選手が参加しているようでした。予備予選参加の基準ってなんなんですかね、気になりました。
Posted by at 2017年08月07日 11:00
恐らくですが、予備予選では以下の選手が混在しています。
・全ての競技で参加標準記録を満たした選手がいない場合に100mに出場する選手
・参加標準記録を満たしていないが、IAAFから招待された選手

IAAFから招待された選手は参加標準記録は満たしていないものの、それに匹敵するタイムをマークしています。
Posted by クライシ at 2017年08月07日 19:52
200m。グリエフ優勝嬉しかったですしサニブラウンも立派ですが100m陣も1人ぐらいはファイナルにいってほしかったですね、シンビネは力があると思ったのですが…やはりボルトはもちろんガトリンやマルティナはスタミナも兼ねそろえた選手達だったなぁと改めて感じました、
Posted by り at 2017年08月11日 13:06
シンビネは予選の走りからすれば決勝進出できなかったのは意外でしたね。今後はコールマンが200mも力をつければ面白くなるかもしれません。
Posted by クライシ at 2017年08月11日 15:24
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