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2016年10月08日

聲の形

映画化してヒットしているようだし、完結したのででまたレビュー。前のレビューはこちら

以前は1巻だけ読んでのレビューだったので、自分の認識がかなり間違っていたことに気づいた。その間違いとは、この漫画においてヒロインが聴覚障害者であるということは大した意味を持っていないということ。つまり、この漫画の障害者像がおかしいウンタラカンタラは的外れだった。これが聴覚障害者ではなく、自分の気持ちをはっきり伝えられない少女に置き換えてもこの物語は変わらない。この物語のテーマは意思疎通の難しさであり、その象徴としてヒロインが存在している。

そう考えると、この漫画はどこにでもある1つの作品に過ぎない。聴覚障害者が出ているだけでこの漫画は変な注目を浴びてしまっているように思える。ただ、作者はそれを狙っていたと思う。
聴覚障害者を出したことがヒットに影響したか分からない、イジメっ子とイジメられっ子という構図が好きな人は多いから。だが、話題性では聴覚障害者を出したことが確実に影響している。本来なら、全く相手にしていない層である聴覚障害者からの反応を数多く貰っている。

物語については不自然な点はいくらでもあるが、漫画だから仕方ないと言えば仕方ない。それらを挙げて指摘しても重箱の隅をつつくようなもので、本質に迫ることはできない。ただやはり物語として自然な流れは重要で、読者が感情移入できるかどうかを左右する。全てが都合よく物語が進んでいるように思えるので、この点は荒いと感じる。
人物描写がリアルという触れ込みがあったがリアルなんですかねこれ。登場人物の反応がおかしいとしか思わなかった。

感動ポルノだとかいう批判があるが、自分はそう思わない。なぜなら、この物語において障害は主体ではない。そもそもどこに感動要素があるんだろう。

最後に、映画字幕の件で批判があったがはっきり書こう。多くの健常者にとって聴覚障害者に対する配慮なんてものはない。耳が聞こえる人からすると字幕は邪魔なのだ。私たちはこの映画を見たところで聴覚障害者に対して理解を深めようなんて思っていない、そんな批判を受けるような作品ではないのだ。

もし、聴覚障害者がテーマの漫画が読みたいなら遥かなる甲子園やわが指のオーケストラをお勧めする。
posted by クライシ at 13:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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